朝の港に停泊するフジトモ号。
海面に朝日がきらめき、波がゆるやかに船体を揺らす。
甲板に現れたのは、しなやかな体をくねらせるともりゅう。
日本古来の龍、その瞳は未来を見据えている。
「ともねこよ、いよいよ今日から第二章じゃ」
「にゃふ…今度は、もっと大きな工事に挑むニャ」
そう話す二人の前に――
「ワンワンワーーン!!!」
元気全開、しっぽを振りまくりながらともいぬが飛び込んできた!
⸻
「オレの出番ワン!元気と笑顔は任せるワン!」
「説明はわしに任せろ」
「心のことなら、わたしにニャ」
三匹がそろった瞬間、甲板に新しい風が吹き抜ける。
フジトモ号、波動MAXの布陣だ。
🚪 今日の依頼
築30年のお宅。
• 冬になると お風呂が冷蔵庫みたいに寒い
• キッチンは狭くて暗い、料理のやる気が出ない
• 外壁はひび割れ、雨がしみてきて不安
おばあちゃん・ご夫婦・小学生の息子くんが住む家。
でも、お父さんはため息まじりに言った。
「数百万もかかるんだろ…やっぱり無理かもしれないな」
一気に空気が沈む。
❄️ 氷の風呂ダンジョン
ともいぬ、勢い余って浴室に突撃!
「つめたっ!!ここ、冷蔵庫ワン!!!」
家族が笑う。
「ほんと、夜は凍えそうなんです」
ともりゅうが語る。
「段差をなくして浴室を断熱すれば、“冷蔵庫風呂”は“温泉タイム”に変わるぞ」
ともねこがそっと添える。
「おばあちゃんも、安心して入れるニャ」
🍳 暗黒キッチンアリーナ
暗い台所で、ともいぬが首をかしげる。
「ここ、料理じゃなくて修行ワン!」
お父さんが苦笑する。
「好きだけど、狭くてやる気が続かないんだ」
カトーが一歩前に出る。
「キッチンは家族のステージ。
料理は“義務”じゃなく“楽しみ”にできる空間に変えましょう」
お母さんの目が輝いた。
「それ、欲しい…!」
🛡 外壁=家の鎧
外に出ると、壁のひびと雨じみが目立っていた。
息子くんが小さな声で言う。
「帰ってくると、ちょっと暗い気分になるんだ」
ともりゅうが言葉を添える。
「外壁は家の鎧。色と素材を変えれば、“帰りたくなる家”になる」
ともねこがにっこり。
「眠りも静かになって、毎日が変わるニャ」
💸 迷いと突破
テーブルに並んだ見積もりを見て、お父さんは頭を抱えた。
「やっぱり金額が…決められない」
沈黙。
そのとき――
ともいぬが立ち上がり、しっぽを振って叫んだ。
「オレ、今日ぜんぶ見たワン!
この家、直したら絶対楽しくなるワン!」
ともねこが続ける。
「“ありがとう”って言葉が増える家になるニャ」
そしてカトーが熱くまとめる。
「リフォームは家を直すんじゃない。
“人生をもう一度スタートさせるスイッチ”なんです!」
その言葉に、お父さんの目が変わった。
「……よし、未来に投資しよう」
家族全員が顔を見合わせ、笑顔になる。
🌅 エンディング
夕暮れの港。
ともりゅう「導きは任せよ」
ともねこ「心はわたしが受け止めるニャ」
ともいぬ「笑顔にするのはオレだワン!」
カトー「フジトモ号、第二章の大冒険に出航だ!」
帆が上がり、波がきらめく。
フジトモ島の冒険、第二章スタート!
▶ Note:1〜50話「フジトモ島の冒険 第一章」